よく「隠れた名作」ってあるじゃないですか。
最近、『PSP 隠れた名作』でググったんですよ。
そしたらまぁ……駄目ですね。
「隠れた」がうまく機能していないのか、モンハンやらMGSやら空の軌跡やら誰でも知っているビッグタイトルを紹介される。そうじゃないんですよ。
それらをランキング形式に数十個並べて概要を書いてAmazonレビューを引用してリンクつけてはいおしまい!
……なんか浅いよね。そう思いません?
本当の隠れた名作をここで紹介します。
いつもより挑発的になりましたね。はい、という訳で今回はグローランサーシリーズの1つ「グローランサーⅣオーバーリローデッド」について、8つの観点からレビューいたします。
「このゲームっておもしろいの?」「これだけは知っておけって予備知識はある?」といった未プレイの方から、「他の人は遊んでみてどう感じたんだろう?」という既プレイの方まで、楽しく読むことが出来たらと思います。
それでは張り切っていきましょう!
パラメータ
グローランサーⅣオーバーリローデッドの情報は以下の通りです。
発売年:2011年(リメイク前:2003年)
ジャンル:RPG
プラットフォーム:PSP
メーカー:アトラス
リメイク前のPS2版と比較して、新キャラ、新要素、そして新ルートが追加されています。
特に新ルートですが、PS2版より大団円みたいな終わり方をしており、クリア後は気分良く余韻に浸ることが出来ます。
また、メーカーはアトラスです。メガテンやペルソナが有名ですね。
セガの子会社になる2年前に発売されました。
やり込み具合
◆難易度 選択無し
今作はシリーズ中でも難易度が高いと評判です。初見では何度もゲームオーバーになると思います。
補助魔法が戦闘前に掛けられること、スリープ連発で敵を無力化することを知ると相当楽になると思います。
◆プレイ時間 39時間
発売当時に何回も周回したので大まかな流れは覚えていましたが、今回は最初からプレイしました。
ストーリー
正確なあらすじは公式サイトやWikiに任せるとして……私がネタバレせずに紹介するなら?という文章です。
・国家間戦争と並行して天使、魔物とも戦うファンタジーな世界観だよ!
・主人公は傭兵から軍人、そして英雄へと立ち位置がどんどん変化するよ!それに伴い色んな人との出会いがあるよ!
・非常に多くのエンディング(40種類以上)を迎えることができるよ!
エンディングが多い!
もはや多すぎるといっていいでしょう!
本ゲームは、クリア後に超絶強化アイテムが貰えるので、それを使って高速周回することが可能です。
しかし、大体の方が、大きく物語が分岐する3ルートをクリアしたら満足するんじゃないかな……
各キャラクターの親愛度は並行してあげられますが、最終決戦前に一人に絞るため、結局何回もラストダンジョンを潜ることになります。
発売から数年たちますが、100%達成した人いるんですかね?
キャラクター
立場が変われば味方が敵に
主人公は色々な場所にその身を投じます。そこで出来る知り合い、仲間、そして敵……彼らとは幾度も立場を変え運命が交差します。
多くの魅力あるキャラクターがいますが、中でも私はトリシアが好きですね。
リメイクにて追加されたキャラクターですが、しっかりヒロインのポジションを獲得しています。
彼女はストーリーが進むほどに葛藤します。本当に正義はこちらなのか?主人公こそが正義ではないのか?しかし、立場がそれを許しません。
そして最終的に、彼女が望む望まないにかかわらず、どうしようもない状況に追いこまれます。そこで颯爽に救い出すのが主人公ですよ!惚れますね。
そんな彼女ですが、最後の最後まで仲間にならないので要注意!実質ラストダンジョンしか使えません。
スパロボWのブラックサレナ加入並みかなぁ、体感ではそれより遅いかも(わかる人にはわかるやつ)。
シナリオでの扱い上厳しいのはわかりますが、それでももっと長く連れ回したかったです。
ギミック
あいつを守れ!
本ゲームでは、様々なシチュエーションでの戦闘が多いです。
戦場での敵の全滅は当然として、行商人の護衛、街を狙う砲台を制限時間内に破壊……枚挙に暇がありません。
戦闘の敗北条件に〇〇の撃破があるときは、全力で守護りましょう。敵は本気で倒しに来ます。
難易度の項目で触れた、難易度が高いというのはこれも要因の一つですね。
フェイトシステム
Ⅳの中で最も評価したいシステム。
本ゲームは死や裏切り、別れが頻繁に描かれます。
大陸全土が舞台の4ヶ国戦争だからね、決して勧善懲悪のような簡単な話ではないです。
正義と正義。
正義を貫くために悪を雇えば、己の信念のために謀反を起こし民を巻き込む。
周囲を幸せにさせるための悪意は悪意なのか。
今まで倒してきた敵兵の家族に自分たちは恨まれてないのか?本当に?
国家間の争いと影で蠢く闇に人々は飲み込まれ、場合によっては悲惨な死を遂げます。
……と、なかなか陰鬱な印象を与えてしまいますが、ここでフェイトシステムの出番です。
条件を満たすことで、その人が本来辿る運命を変えることができます。
本来の運命も、後から閲覧することもできるので、わざわざ周回で選ぶ必要もありません。積極的に救いましょう!
グラフィック
美麗グラフィックを推してるわけではなく、味のあるドット絵です。
プレイしていくうちに段々と慣れていくかと。
また、キャラクターが柱に隠れた場合でも半透明で見えるように配慮してます。
また、要所でムービーやカットインも存在します。ムービーの方はオープニングで結構出てますけどね(笑)
イラストレーターはシリーズを通してうるし原さん。人を選ぶかもしれませんが、私は大好きです。
音楽
本ゲームは1つの戦闘でも目まぐるしく状況が変わります。
その時にBGMもちゃんと変わるので、戦況が好転/悪化したというのがよく分かります。
可もなく不可もなく、ということで。
まとめ
最後に良かった点と悪かった点、こんな人におススメを紹介します。
・重厚なストーリー
・フェイトシステム
・難易度が高いため、気持ちよくプレイするには準備の手間が必要
・キャラクターのイラストが人を選ぶかも
・世界観にどっぷり浸かりたい人
・仲間と親交を深めたい人
「仲間と親交を深めたい人」というのは、シャイニングレゾナンスリフレインをレビューした時にも書いてましたね。
システム的には同じ系統だと思います。どっちか好きならもう片方も遊んでみましょう!
さいごに
リメイク作品と一口に言っても、その程度は色々あります。
本ゲームはリメイク元の雰囲気を崩さずに、ありとあらゆる箇所を補強しています。
不評だったセリフは改変、音声も撮り直し。
物語の背景として説明が弱かった部分は、新キャラ追加で記憶に残るように補強。
より皆が納得するような大団円ルートも構築。
ラスボスはより世界の敵らしく。脅威を増すために魅力的な下僕たちも追加。
PS2版では救えなかったあんなキャラこんなキャラまでフェイトシステムの対象へ。
やり込み要素として、エンディングを40種類と大幅追加。野心に目覚めてかつての仲間と戦う2週目限定ルートもしっかり完備。
などなど。
開発された方の熱意が伝わってきませんか?
PS2からPSPへとプラットフォームを変えたリメイクの場合、移植+そこそこの追加要素でリリースしても良かったわけです。事実、そうした作品はゴロゴロあります。
しかし、そうしなかった。
本ゲームは一度タイトルを変えていますが、その理由は「PS2版を大切にしつつも新しい要素を多く盛り込み、まるで新規作品として仕上げるという想いや気合いが伝わらなかったため変更した」(要約)とあります。
この熱意。素晴らしいですよね。
だからこそ、発売から10年経ちつつ、プレイに必要なゲーム機本体が世間から消えつつあろうとも、
このゲームを私は忘れないですし、このシリーズのファンであり続けたいと思うのです。
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